AdobeAnalyticsの滞在時間を示す4つの指標を解説

Adobe Analytics
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複数存在する滞在時間(duration of visits )の指標を理解する

Adobe Analyticsには、任意のディメンションに適応できる4つの「滞在時間」指標が準備されています。同じ滞在時間を表す指標ですが、少しずつ特徴がありますのでその違いを説明します。

滞在時間を表す4つの指標

Adobe Analyticsで任意のディメンションに適応できる4つの「滞在時間指標」について、それぞれ紹介します。

合計滞在時間(秒)

訪問者が特定のディメンション項目に関与した合計時間を示します。計測される時間には、少し癖がありますのでその特徴をしっかり理解しておくことが大切です。

例えば、ある訪問者が次のような閲覧をした場合は、8:00から8:50までの時間が測定されているのではなく、8:00から8:40までの合計40分が計測されます。

8:00→8:10(10分)+8:10→8:20(10分)+8:20→8:30(10分)+8:30→8:40(10分)=40分

滞在時間は主にページ遷移後に記されるタイムスタンプ間の時間を計測します。しかし、ページDで離脱したため、ページD以降にタイムスタンプが発生しないための閲覧時間は測定できません。(リンクイベントなどのhitが発生しない場合に限る)

ですので、ページDを8:40〜8:50の10分間閲覧していても、Adobe Analytics上では計測されず合計滞在時間は40分となります。

訪問別滞在時間(秒)

合計滞在時間(秒)/(訪問バウンス)。各訪問で訪問者が特定のディメンション項目に関与した平均時間を示します。

訪問者別滞在時間(秒)

合計滞在時間(秒)/(ユニーク訪問者)。訪問者のcookieの保持期間にわたって訪問者が特定のディメンション項目に関与した平均時間を示します。

サイトでの平均滞在時間(秒)

Adobeの公式ヘルプでは以下のように説明されています。

ディメンション項目のシーケンスごとに、訪問者が特定のディメンション項目に関与した合計時間を表します。名前が示すような「サイト」の平均に限定されません。
注意: この指標は、計算での分母の違いにより、ディメンション項目レベルで「訪問別滞在時間」と異なる可能性が非常に高くなります。

Adobe Analytics コンポーネントガイド

シーケンスとは訪問者の行動に順序を加味した考え方になります。どういうことか分かりづらいので、訪問者が以下のページ閲覧をした場合の「サイトの平均滞在時間」を実際に計測してみます。

Adobe Analyticsのワークスペースにてディメンションを「日」に設定し、「ページ」で分類すると以下のようになります。

「合計滞在時間」と「サイトでの平均滞在時間」の実計測

上記の場合、「合計滞在時間(秒)」は「ディメンション:日」及び「ディメンション:ページ」の両方で最終ページDを除くページ閲覧の合計値になっています。しかし、ディメンションの「日」における「サイトでの平均滞在時間」は他の滞在時間指標と同じですが、「ページ」単位で表示させた場合には、ページAの「サイトの平均滞在時間(秒)」は「合計滞在滞在時間(秒)」をページAの「ページビュー数」で割った値になります。つまり、ページディメンションにおけるページAの「サイトでの平均滞在時間」はページの平均滞在時間となります。

今回の検証結果から分かったこと

ディメンション:日の場合 
サイトでの平均滞在時間=合計滞在時間/訪問回数

ディメンション:ページの場合
サイトでの平均滞在時間=合計滞在時間/ページビュー

ちなみに「サイトでの平均時間」という指標があります。この指標と「サイトでの平均滞在時間(秒)」の違いは、表示する単位が(秒)か(hh:mm:ss)の違いになります。「サイトでの平均滞在時間(秒)」は計算指標で活用できるメリットがあります。

滞在時間の計測ルールを把握する

Adobe Analyticsの滞在時間の測定は、タイムスタンプだけではなくリンクイベントとビデオの再生が発生した場合も滞在時間を計測しています。

一般的な滞在時間の計測では、先の例で示したようにページ閲覧開始時刻から次ページの閲覧開始時刻を計測しており、離脱に至った最終ページはその次ページの開始がないので計測することができません。つまり、最終ページの滞在時間は0秒ということになります。

しかし、Adobe Analyticsでは離脱リンク(閉じるボタンなど)やページ遷移を伴わないアクションを誘発するリンクを設置している場合、離脱ページで訪問者がページ遷移以外のアクションを起こした場合にはその時間を計測することができます。そのため、リンクイベントが発生する可能性があるページでは、リンクイベントの無いページに比べて滞在時間が長くなるといった事象が生じます。

管理者
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そもそも計測のばらつきが大きい滞在時間の使い所は難しく積極的に利用すべきかどうかという議論はありますが、それでも利用する場合はそれぞれの指標の特性を理解して使い分けしましょう。