「本当のブランド理念いついて学ぼう」を読んで

blogBlog
この記事は約4分で読めます。

GROW 本当のブランド理念について語ろう
ジム・ステンゲル,(株)阪急コミュニケーションズ,2013

ブランディングについて興味があり、良書を色々探して見つけたのがこれでした。P&Gの元グローバル・マーケティング責任者であったジム・ステンゲル氏が、企業が成長する上で何が最も大切なのか、世界の成長企業50社を研究し、まとめ上げた良書です。

学んだことを整理する意味も含め、1・2章をまとめてみました。

第1章 偉大なビジネスには偉大な理念がある

企業やブランドが競争に打ち勝って成長を遂げるためには、何が必要なのか。頂点に上り詰め、その座を守り続けるために致すべき条件とは、どの様なものなのか。

この問いに対し、以下の様に結論づけている。

ビジネスを成長させるために必要なもの、それは、”人々の生活をより良いものにする”ことを目標とし、ビジネスと人間の普遍的な性質に土台を置くビジネスの枠組み

企業と顧客がゴールを共有する

ビジネスモデルを変化させながら長期にわたって成功を修め続けるための確実な土台は、企業と顧客がゴールを共有すること

企業と顧客がゴールを共有する

優れたリーダーの5つの行動原則

ビジネスを成功に導く条件を割り出した結果、次の発見があった。

優れたビジネスには優れた理念がある

そして、優れたブランドリーダー達にはいくつかの共通原則に沿って行動していることがわかった。

ブランドリーダーの5つの原則

  • 人間にとって大切な5つの基本的価値のいずれかの側面で、”人々の生活をより良いものにする”ことに関わるブランド理念を発見する。
  • ブランド理念を軸に、企業文化を構築する。
  • ブランド理念を社内外に発信し、社員と顧客の両方とそれを共有する。
  • ブランド理念に沿って、理想に近い顧客体験を提供する。
  • ブランド理念に照らして、ビジネスの進捗度合いと社員の仕事ぶりを評価する。

第2章 成長するビジネスの条件

成長している企業には、一つのパターンがあった。それは、

人々の生活をより良いものにする

ことを目指す理念を軸に組織化されていて、ビジネスのエコシステム(生態系・共生)の隅々までその理念を徹底させていた。これは、B to B企業であろうが、B to C企業であろうが同じ傾向が見られた。

理念に導き出されたビジネスは早く成長し、成長が持続する。ことが分かった。

「絆スコア」とブランド価値の成長

相当期間にわたり継続的に成長を遂げているブランドを割り出し、その強さの秘密を解き明かす研究が始まった。その研究仮説は、

優れたブランドが成長を続けるのは人々と深く結びついているから。

仮説検証の問いは、3つ

  • 人々がブランドに対していだく絆は、最強の成長エンジンとなりうるのか。
  • もしそうであれば、最も大きな成長を生み出すのは、どういうタイプの絆なのか。
  • 企業やビジネスはそれをどうすれば活用できるのか。

ステンゲル研究の4つの発見

ブランド理念が顧客の態度や行動を本当に大きく左右しているのかどうかを厳密に知るためにはそうすればいいのか。顧客の潜在意識というブラックボックスの内側を読み特にはどうしたらいいのか。

4つの重要な発見

発見1 ブランド理念は、最も急速に成長を遂げているビジネスの原動力である

急成長している企業のいずれのブランドも、それぞれの業種にふさわしい形で、”人々の生活をより良いものにする”ことを目指すブランド理念を掲げている。

発見2 最も急速に成長を遂げているビジネスは、人間にとって大切な5つの基本的価値のいずれかに関わるブランド理念を持っている

  1. 喜びを感じさせる
    • 人々が幸せや驚き、無限の可能性を体験する後押しをする
  2. 結びつくことを助ける
    • 人々が他の人たちや世界と有意義な形で結びつく能力を高める
  3. 探究心を刺激する
    • 人々が新しい世界や新しい経験に乗り出すのを可能にする
  4. 誇りをかき立てる
    • 人々が自身や力、安心感、活力を高めることを可能にする
  5. 社会に影響を及ぼす
    • 現状を揺さぶり、新しいビジネス枠組みを打ち出すなどして、社会全体に好ましい影響を与える。

発見3 最も急速に成長を遂げているビジネスを動かすのは、ビジネス・アーティスト(ーブランド理念を主たる手段として用いるリーダー)である。

発見4 ビジネス・アーティストたちには、いくつかの活動に卓越しているという共通点がある。これらの活動がコンピューターのOSのように、高成長を生み出し、持続させる土台となっている

管理者
管理者

ブランディングの重要性を理解することができました。3章以降では「ブランド理念の木」と呼ぶ考え方の提唱とメソッドについて記述されています。とても勉強になるおすすめの1冊です。