アクセス解析で用いる主な指標|アクセス解析

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アクセス解析の主な指標

指標の意味とAdobeアナリティクスで計測される条件についてまとめます。

ページビュー数(PV)

ページが表示された数を指します。PVとも言われ、最も一般的な指標です。アクセス解析ツールの種類やページ閲覧環境の影響を受けにくいため、計測誤差が生じにくいのが特徴です。

ページビュー数は、サイト内のページ数に比例しますので、規模の大きなサイトでは必然的に、ページビュー数が多くなります。ですので、サイトの規模を表す指標としても用いられます。広告媒体などでは、集客力を表す指標としても利用されています。

ページビュー数

ブラウザでページをロードするたびに1カウントされます。

  • リロード、戻るボタンのクリックもカウントされます。
  • 個々の要素(ヒット数)ではなくページ全体でカウントされます。

セッション数(訪問数、訪問回数、visit)

アクセスしたユーザーが、サイトを訪問し、離脱するまでの一連の行動を指します。Google Analiticsでは、「セッション」、Adobe Analyticsでは「訪問回数」といったようにアクセス解析ツールによって、その呼ばれ方が違いますが同じ意味を持つ指標です。

セッション数は、一定時間(ほとんどは30分)の間に、ウェブサーバーにリクエストがないと訪問が終了したとみなされ、セッションが終了します。

訪問回数

1回の訪問で複数のページを閲覧しても1カウント

  • 最初のページを閲覧した時から開始される
  • 30分以上リクエストが途絶えると終了する
  • ブラウザーセッションと同じではない。Cookieでトラッキングされる。
  • Cookieが取得できない場合はIPアドレスやユーザーエージェントをカウントする

Cookieでトラキングしているため、訪問者がブラウザを閉じて10分後にサイトに戻ってきた場合は、前セッションの続きと判断され1カウントになります。つまり、ブラウザを閉じるだけでは、セッション切れにはならないという事です。


(参考)サイトの規模

調査方法:Similar Web  計測期間 Apr 2020 – Jun 2020

サイト名Top ドメイン推定月間セッション数
Yahoo Japanyahoo.co.jp22億回
日経新聞nikkei.com1億700万回
メディカルノート

medicalnote.jp

1000万回

新規セッション数

初めて訪問したユーザーのセッション数を全セッションで割ることで求められます。計測期間以前に訪問したユーザーによるセッション(訪問)はリピーターのセッションと判断されるため、新規セッション率は測定する期間によって変化します。

新規セッション率(%)=(新規ユーザーのセッション数÷全セッション数)✖️100

ユニークページビュー数(ページ別訪問数、ページ別セッション数)

ユニーク ページビュー数とは、同じセッションで同じユーザーが同じページを何度表示しても、1とカウントするページビュー数を指します。

同じ期間内に新たなセッションが開始されても、同じユーザーの場合、ページビューは増えません。ユーザー動向を計測する指標であり、特定のページが1回以上表示されたセッション数を集計していることを覚えておきましょう。

例)同一セッションで「ページA→ページB→ページA」と遷移した場合、ページAのページビュー数は2ですが、ユニークページビュー数は1となります。

アクセス解析ソフトでのカウント数は、一般に次のようになります。

ページビュー数≧ユニークページビュー数>セッション数

ユーザー数(ユニークユーザー数、実訪問者数、訪問者数、ビジター数)

一定期間にウェブサイトに訪問したユーザーの数を重複しないでカウントします。解析ツールによって判定方法が異なります。

アクセス解析ツールを用いてレポートを作成している場合、注意が必要です。

例えば、Aさんが6月15日と7月15日にウェブサイトにアクセスしたとします。

アクセス解析ツールで毎月レポートしている場合、6月単月のユーザー数は「1」、7月単月は「1」となります。計測期間を6月1日〜7月31日までとした場合のユーザー数は「1」となりますので、毎月の計測値を単純に加算すると、ミスリードする場合があります。

アクセス解析ツールの表記は人数で表していますが、実際は人ではなく、端末、ウェブブラウザー単位で測定します。そのため、同一人物であってもモバイルフォンとパソコンの両方で訪問した場合のユーザー数は2となります。

実訪問者数に影響する動作

一意の訪問者識別子は、通常、ブラウザーのCookieに保存されます。 新しい個別訪問者は、次のいずれかの操作を行うとカウントされます。

  • いつでもキャッシュをクリア
  • 同じコンピューターで別のブラウザーを開きます。 一意の訪問者が1ブラウザーごとに1つカウントされます。
  • 同じ訪問者が異なるデバイスでサイトを閲覧した。 個別の個別訪問者がデバイスごとにカウントされます。
  • プライベートブラウジングセッション(Chromeの「匿名」タブなど)を開きます。

引用:Adobe,Analytics コンポーネントガイド

新規ユーザー率・リピータ率

新規ユーザー率とは全ユーザーに占める新規ユーザーの割合を指し、リピータ率とは全ユーザに占める再訪問によるユーザーの割合をスメします。

新規ユーザー率+リピータ率=100%

新規ユーザー率とリピータ率は、解析ツールによって異なるので注意が必要が必要です。

直帰数・直帰率

直帰とは、サイトの入口になった1つのページ(ランディングページ)だけを見て、他のページへ遷移せずにサイトから離脱した行動を示します。

*サイトの離脱とは、ウェブブラウザーを閉じる、他のサイトに移動することを指します。

英語表記ではBounce(バウンス)と呼ばれます。1ページを見て跳ね返るという状態です。直帰数は、セッション数で、直帰率はその割合になります。

サイト全体の直帰率(%)=(直帰数÷セッション数)✖︎100

ページ毎の直帰率は、該当ページがランディングページだった場合のセッション数(閲覧開始数)のうち、そのページで直帰した割合で求められます。当該ページが含まれるセッション数ではないことに注意が必要です。

ページ毎の直帰率(%)=(ページで直帰した数÷閲覧開始数)✖️100


注)adobeアナリティクスの場合、直帰数とバウンス数は少し違う意味を持ちますので注意が必要です。

バウンスと直帰数の違い:Adobeアナリティクスの場合
バウンス

1回の訪問が1回のヒットで構成される場合、そのヒットはバウンスと見なされます。

訪問者がページ表示とリンクトラッキングコールの両方を実行した場合、その訪問はバウンスと見なされません。 バウンスは、ページが表示されたが訪問者が何もアクションしなかった場合にカウントされます。

バウンス=「訪問回数1 かつ ヒット1」の状態を示します。

直帰数

この指標は、バウンスと異なり 訪問者がページをリロードしたり、リンクトラッキングコールを実行した場合でも、直帰数としてカウントされます。 次のページが表示されるとその訪問は直帰数にはなりません。

例えば、ランディングしたページに埋め込みタイプの動画再生ボタンがあった場合、ユーザーが、動画ボタンをクリックして視聴後にサイトを離脱した場合、バウンスはカウントされませんが、直帰数ではカウントされます。ですので、評価したい事柄とページの性質によって使い分ける必要があります。

リロード

同じページが連続して記録される場合、リロードとしてカウントされます。再読み込みボタンを押すほか、別タブで同じページを表示させた場合もカウントされます。途中で別のページを見るなど、同じ訪問中でも連続していなければカウントされません。

リロードが多数発生している場合、そのページに何かの問題が発生している可能性があります。

離脱数・離脱率

ユーザーが次の様な行動を行い、サイト閲覧をやめた状態を指します。

  1. ブラウザの「戻る」で前のページ(検索ページなどサイト外)に戻ること
  2. サイト内に貼られた別サイトのリンクを踏んで別のページに行くこと
  3. ブラウザを閉じること
  4. あるページで何もしないまま30分間経過すること
  5.  セッション中に午前0時を迎えること

離脱数は一般にページ毎にカウントされ、調べたいページを最後に離脱したページビュー数を指します。離脱率は調べたいページにおいて次の式で算出されます。

離脱率(%)=(離脱したページビュー数÷ページビュー数)✖️100

資料請求ページへつながるページやエントリーフォームなどで離脱率が高い場合は、導線の改善やエントリーフォームの見直しが必要です。

平均セッション時間(訪問別滞在時間)・平均ページ滞在時間(ページでの平均滞在時間)

滞在時間とはユーザーがどのくらいサイトを見ていたのかを知る指標です。一般的に訪問の最後のページの滞在時間は測定されません。これは、最後のページ以降に発生するタイムスタンプがなく、訪問者が最後のページにどれくらい滞在していたのか特定できないためです。

訪問別滞在時間

ページ間あるいはリンクイベント間のタイムスタンプが比較されます。上記の様に、一般的には最後のページの滞在時間は測定されませんが、リンクイベントから離脱している場合(外部サイトへ誘導するリンクや閉じるボタンなど)は、そのイベントのタイムスタンプを利用して滞在時間を測定できます。

ページでの平均滞在時間

ページでの平均滞在時間は、訪問単位ではなくシーケンスで計算されます。

例えば、Aページを5分閲覧しBページへ遷移、次にAページの戻り10分閲覧しCページに遷移した場合、次の様になります。

Aページでの平均滞在時間=(5分+10分)/2pv=7.5分

参考資料

守口剛,ウェブ解析士認定試験公式テキスト2020,マイナビ出版,2020.

Adobe,analyticsコンポーネントガイド